心の鎧 蓋を開けて、そっと取り出した心臓 指先で撫で上げるだけで傷ついてしまうほどに、 それはとても弱く、もろいのです。 その心臓に、一枚いちまい、 青い魚のうろこのような、 鋼鉄の殻を着せましょう。 もう、傷つかなくてもよいように。 はがねの花のつぼみのように、 鎧をまとった心を眺め、 私は長くため息をつくのです。 机の上の青銀色の心臓は、 傷つこうとも痛みを感じません。 そしてからっぽになった私の胸も、 痛みを感じなければよいのだけれど。 それでもからっぽの空虚さに、不安になるのです。 そしてさらに鎧を着た心臓を胸にしまったとしても、 そのあまりの重さに、 悲しくなって傷つくに違いないでしょう。 だから、 軽くて強い、鎧がほしいのです。 もしくは傷をものともしない、強い心臓がほしいのです。 |
| 「オズの魔法使い」 |
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