心臓と僕の物語 手足から伸びた糸を切り、 冷たいコンクリートにもたれかかる。 胸のプレートをはずせば、 聞こえてくるのは調子はずれのオルゴール このままではただのがらくた さあ、君のために調律しよう 真鍮の心臓を取り出し、 ぽろぽろ雨だれの音を奏でてみる。 疲れた指先を研ぎ澄まし、 ふるさびた鍵盤にお疲れさまのキスを 高く低く紡がれる旋律 さあ、また僕につきあっておくれ 君を動かす僕 僕を動かす君 ありのままの音を取り戻した君は、 僕の関節をなめらかに操る。 星空の曲を口ずさむ君に、 僕は得意の口笛で合奏しよう。 見上げてみれば満天の流星群 星の雨を浴びながら誓う。 ああ、君がいつまでも僕でいてくれるのなら、 僕はいつまでも君でいよう。 |
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